多肉植物いやされ生活

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彫刻のような多肉植物!パキフィツム属『コンパクツム』の基本情報や育て方

パキフィツム属「コンパクツム」の葉っぱは、“ピシッ”・“コロッ”としていて、彫刻のような印象を受けます。

なめらかな丸っこい面ではなく、人工的に削られたような不思議な葉面。

 

パキフィツム属「コンパクツム」は“多肉植物あるある”で、種類と名前がややこしい一種です。

店頭では、「コンパクツム」「千代田の松」「グラウクム(アメジスト)」「ロンギフォリウム」の名前で売られていても、実際にそうなのかそうでないのか・・

「千代田の松」という名前で売られていても、他の3種類である可能性が高いです。

 

ネットでいろいろ検索して見比べてみたところ、どれも白い粉をまとったような葉っぱなのは同じ。

どれも削ったような葉面をしていますが、「コンパクツム」と「グラウクム」に比べて「千代田の松」と「ロンギフォリウム」は削りの角が弱く、葉っぱの厚みも薄め。

 

紅葉したときの葉色が違うようで、「コンパクツム」は普段は深い緑色ですが紅葉してくると葉先に向けて黄色っぽいグラデーションに。

「グラウクム」は葉先に向けて深い赤紫色のグラデーションに。別名「アメジスト」と呼ばれているようです。

「千代田の松」は葉先に向けて茶褐色のグラデーションに。

「ロンギフォリウム」は葉先に向けて薄いオレンジ色のグラデーションに。

どれも紅葉時は葉先部分のみ白っぽい黄緑色に。

 

しかし、ネットで見た写真も本当に本当か分かりませんね。

 

学名も見るサイトによって違っていたり・・

「Pachyphytum ○○○」で、○○○の部分がよく分からない。

「Pachyphytum compactum」をカタカナで書いてみると「パキフィツム コンパクツム」で、この学名は「コンパクツム」と「千代田の松」と「グラウクム」に表記して紹介されていたりしました。

「コンパクツム」については、「Pachyphytum P.compactumu」や「Pachyphytum ‘Chiseled Stones’」も見かけました。

「ロンギフォリウム」については「Pachyphytum longifolium」で分かりやすい・・ですが、「千代田の松」の別名に「ロンギフォリウム」があるとも見たけれど、学名を考えると別物ということですよね。

 

見た目が似ているものに「グラウカ」という種類もありますが、これはパキフィツム属ではなくパキベリア属です。

パキフィツムとエケベリアの属間交配種になります。

 

ついでに、名前で『あれ?』ってなるものに「パキフィツム」という種類があります。

これは、ダドレア属の「パキフィツム(Dudleya pachyphytum)」です。

白っぽい、銀色っぽい、色の表現としては「セネキオ属 銀月」に似ていますが、銀月のように毛に覆われているわけではなく、パキフィツム属のような白い粉をまとっています。

 

もう、ややこしすぎて面白いですね。

 

私が持っているものには「コンパクツム」という名札がついています。

色はいつも深緑色。削ったような葉面がかっこいいです。

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[↻ 2023.05.25 記事更新]

 

パキフィツム属「コンパクツム」の基本情報 ~暑さ寒さに比較的強い~

ベンケイソウ科パキフィツム属 コンパクツム(Pachyphytum compactum)

自生地:メキシコ

タイプ:春秋型

 

生育期は、春と秋。

真夏は半休眠期で、冬が休眠期となります。

 

1年通して外管理で構いません。

暑さにも寒さにも比較的強いですが、真夏と梅雨時期と冬の管理には気をつけます。

 

真夏の強烈な直射日光が長時間当たり続けるところや高温多湿な梅雨時期は、密集しているところが蒸れてしまうので、風通しのいいところに置くといいでしょう。

梅雨時期は雨ざらしにならないところに移動させるか、雨避けをしてあげるといいでしょう。

 

冬は3度を下回る日が続くようなら、ビニールやダンボールなどで囲いを作ってあげるか、屋内に入れてあげましょう。

霜や雪がかかったままにならないようにします。

 

多肉植物の置き場所について詳しくはこちらも参考にしてみてください ↓

多肉植物の置き場所~ポイントは日当たり・風通し・温度~ - 多肉植物いやされ生活

 

 

コンパクツムの育て方~植え替え・用土・水やり肥料・増やし方・病害虫~

コンパクツムの植え替え時期と方法は?

植え替えは2~3年に1回。

適期は生育期の春と秋。

 

植え替えする数日前から水やりはストップして、土が乾燥した状態にしておきます。

同じ鉢もしくはひと回り大きい鉢に植え替えます。

 

古い土を3分の2くらい落として、古い根っこは取り除き、伸びすぎている根っこは清潔なハサミでカットします。

カットした場合は、切り口が乾くまで乾燥させましょう。

 

(1)鉢底石を入れる(鉢底穴が大きい鉢のときは鉢底ネットを置いてから)

(2)用土を鉢の3分の1くらいまで入れる

(3)株が鉢の真ん中にくるように、根っこが広がるように、植えつけていく

(4)根っこの間にしっかり土が入るように入れていく

   ※ピンセットや割り箸などで土をやさしく突きながらすると上手くいきます

(5)鉢を地面にトントン当てて土をなじませる

 

植え替え後は明るい日陰に置き、1~2週間くらい経ってから、茶色い水が鉢底から流れ出なくなるくらいまで水やりします。

最初の水やりから2~3日くらい経ってから、今までの置き場所に戻し、今までの管理方法を続けましょう。

 

多肉植物の植え替えについて詳しくはこちらも参考にしてみてください ↓

多肉植物の植え替え ~適した時期と方法~ - 多肉植物いやされ生活

 

 

コンパクツムに合うのはどんな用土?

水通り・水はけのいい土を使います。

市販の『サボテン・多肉植物の土』をメインに、赤玉土(小粒)や鹿沼土(微粒~小粒)を配合したものや、砂や軽石を混ぜてもいいでしょう。

多肉植物専用用土だけでもかまいません。

 

多肉植物の土について詳しくはこちらも参考にしてみてください ↓

多肉植物の基本的な育て方~合う土、合う鉢、便利用具~ - 多肉植物いやされ生活

 

 

コンパクツムの水やりと肥料はどうすればいいの?

生育期の春と秋は、土の表面が乾いて2~3日経ってから鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりあげます。

肥料は、お持ちの液体肥料のパッケージに記載されている希釈率よりも薄めたものを、2週間に1回程度与えます。

 

真夏の水やりは控えめに、鉢の中の土が完全に乾いてからあげましょう。

乾かないうちにあげてしまうと多湿の原因になります。

水をあげるときは、鉢底から流れ出るくらいたっぷりすることで、土の中にたまった老廃物や雑菌を洗い流し、土の中の風通しがよくなります。

夏の水やりは、気温が落ち着いてくる夕方以降にあげます。

肥料は与えなくてもかまいません。

 

梅雨時期と休眠期の冬は控えめに月1~2回程度、鉢の中の土が乾きにくいので水の量も控えめにあげます。

梅雨時期の水やりは気温が落ち着いてくる夕方以降に、冬は晴れた日の午前中から日中の暖かいときにかけてあげましょう。

肥料は一切与えなくてかまいません。

 

多肉植物の水やりと肥料について詳しくはこちらも参考にしてみてください ↓

多肉植物の水やりと肥料の与え方 - 多肉植物いやされ生活

 

 

コンパクツムを増やすにはどうすればいい?

「株分け」「挿し木・挿し芽」「葉挿し」で増やすことができます。

適期は春と秋。

 

コンパクツムの「株分け」は、親株の株元に子株が生えてくるので、切り分けて別の鉢に植えつけます。

 

ヒョロヒョロと伸びてきた茎や、茎から伸びてきた脇芽は、「挿し木・挿し芽」をします。

伸びてきた茎や脇芽を切り取り、風通しのよい明るい日陰で切り口を乾燥させてから新しい土に植えつけます。

このとき、土に挿す部分に葉っぱがついているようなら、丁寧にもぎ取って葉挿しにしましょう。

2週間くらい経ってから水やりをし、日当たりと風通しのよい場所に置いてあげましょう。

 

「葉挿し」の場合は、新しい土の上に葉っぱを置いておくだけです。

葉っぱの付け根部分がないと根っこや新芽は出てきません。

根っこがでてきたら、根っこに土をかけ、霧吹きや水差しで少しだけ水やりをします。

 

多肉植物の増やし方について詳しくはこちらも参考にしてみてください ↓

多肉植物の増やし方~株分け・挿し木芽・葉挿し・胴切り~ - 多肉植物いやされ生活

 

 

コンパクツムがかかりやすい病気や害虫は?

水のあげすぎなどで起こる根腐れや、真夏や梅雨時期には密集しているところの蒸れに気をつけます。

害虫はつきにくいですが、コナカイガラムシやハダニがつくことがあるみたいです。

 

多肉植物の病害虫について詳しくはこちらも参考にしてみてください ↓

多肉植物にやってくる害虫と、かかりやすい病気!駆除と対処の方法 - 多肉植物いやされ生活

 

 

さいごに

パキフィツム属「コンパクツム」は、見た目も色もかっこいい系の多肉植物です。

ただ、名前がややこしいのが少し惜しいような・・

私の「コンパクツム」も、はたして本当に「コンパクツム」なのかといわれると・・分かりません。

 

まだ生で見たことはありませんが、赤っぽいようなオレンジっぽいような、かわいい花を咲かせるみたいです。