多肉植物の植え替え ~適した時期と方法~
植え替えは絶対にしなくてはいけないということではありませんが、植物の生育を助けるためにもしたほうがいいです。
植え替えることによって、植物の生育がどうしてよくなるのか、植え替えの適期と方法もあわせて紹介します。
多肉植物を植え替える意味と適した時期
1~2年に1回、が一般的に言われていますが、私は2~3年に1回でもいいと思います。
カラっと晴れている日にしましょう。
ジメジメして湿度の高い日は雑菌が繁殖しやすいので避けたほうがいいです。
植え替えの最適期は、生育期の少し前から生育期前半です。
ですが、生育期間中ならいつでもできます。
休眠期には基本的にはおこないませんが、根腐れなどでどうしてもしなくてはいけないようなときは植え替えしましょう。
なぜ定期的に植え替えしてあげたほうがいいのかというと・・
ずっと植え替えしないで長い期間同じ鉢で育てていると、根っこが鉢内に広がり、根詰まりを起こして水分・栄養分を十分に吸収できなくなったりします。
また、根っこから出る老廃物が土にたまっていき水はけや透水性、風通しが悪くなったりもします。
土全体の栄養分がだんだんとなくなって土が固くなってきて根っこが呼吸しづらくなったり、土がやせてきて鉢と土の間にすき間が空いてしまい水や肥料の吸収も悪くなって生育も悪くなってきます。
植え替えによって、土が新しくなり、水分・栄養分を吸収しやすくなり、生育がよくなります。
植え替えのときには、株をあちこち観察するチャンスです。
普段は見ることのない鉢の中を見ますので、土や根っこの状態をよく観察しましょう。
害虫がついていないか、カビが発生していないか、根っこは十分に広がり形がいびつではないかなどをチェックします。
株元もよく見ておきましょう。
枯れた下葉がついているようなら、枯れているもの全部キレイに取り除きます。
手でも取れますが、ピンセットを使うと取りやすいです。
多肉植物の植え替え方法は?
植え替えのときは土が乾燥している状態がいいので、作業したい数日前から水やりはストップしておきます。
用意するものは、鉢、乾いた新しい土(または再生させた土・・病害虫被害のない清潔な土)、土入れ、ピンセット、清潔なハサミです。
オルトランDX粒剤などの殺虫剤もあるといいと思います。なくても大丈夫。
株を大きくしたいときは鉢をひと回り大きなものにして、現状の鉢を使いたいときやコンパクトに育てたいときは同じ鉢を使うといいでしょう。
このときのポイントは、株に対して大きすぎる鉢に植え替えるとダメにしてしまう可能性があるということです。
大きすぎる鉢だと、その分、土の量も増えます。すると、水の管理が難しくなってしまうからです。
では、植え替えのやり方です。
鉢から株を土ごと取り出します。
株を持って無理矢理引っ張ると葉っぱがもげたり折れたり、根っこがちぎれてしまうので、取り出しにくいときは鉢のフチや底をたたくと取り出しやすくなります。
どうしても取れないときは、竹串やナイフといった細いものを鉢と土の間に入れ、ひとまわりさせて、鉢との間に空間を作ってから、再度鉢のフチや底をたたきます。
鉢から取り出したら、根鉢をくずし、古い土は3分の2くらい取り除き、軽く引っ張って取れるような枯れた根っこも一緒に取り除きます。
痛んでいる根っこは清潔なハサミで切り取ります。
枯れた下葉が株元に残っている場合は、ピンセットや手で引っ張って、枯れているもの全部取り除きます。
鉢底穴が大きい鉢を使うときは、鉢底ネットをおきましょう。
鉢底石を入れ、鉢底石が隠れるくらい土を入れます。
殺虫剤を入れる場合はここで入れましょう。
殺虫剤が直接根っこに触れるのはよくないので、殺虫剤が隠れるくらいさらに土を入れます。
※寄せ植えなどで大きめの鉢を使うときは、ネットに入った鉢底石を使うと便利です。
なにより、植え替えのときの土分けが楽です。
もともとネットに入っている鉢底石も市販品として売られています。
台所用ゴミ捨てネットなどに鉢底石を入れて使っても同じことです。
自分で入れるときは“ネット”を選ぶことが大切です。不織布なんかはダメです。
株が鉢の真ん中にくるようにして片手で株を持ちながら、株が深植えにならないように高さを見ながら土を足していきます。
このとき、根っこの間に土が入るようにバランスよく入れていきます。
半分くらい土を入れたら、ピンセットや割り箸、竹串などで土を突いて根っこの間に入れていきます。
根っこを傷めないように優しく突きましょう。
鉢のフチから5mmから1cmくらい下まで土を入れます。
鉢をトントンと地面に軽く当て、土をなじませましょう。
株にぐらつきがあるようなら、土を軽く押さえつけて安定させ、土が少し下がったらその分を足します。
植え替えが終わったら風通しのよい明るい日陰で、雨や強風が当たらないところに置いてあげます。
最初の水やりは2~3日経ってから鉢の底から流れ出る水が茶色くなくなるくらいまでたっぷりあげます。
2週間くらい経ってから、今までの置き場所に戻し、日当たりと風通しのよい場所での管理を続けましょう。
まとめ
多肉植物に限らず、多年生の植物は植え替えしてあげると長く元気に育ってくれます。
「植え替え時期」と「開花時期」が重なっている場合、カランコエ属は植え替えを控えましょう。
開花しているときは避け、花が終わってからか花芽を摘んで数日経ってから植え替えするようにします。
何故だか分かりませんが、カランコエ属に関しては、開花時は植え替えを控えましょうといわれています。
なので、ほかの属種については開花していても植え替えしてもかまわないみたいです。
植え替えるとき、いくつかの種類をひとつの鉢に寄せ植えにするのも可愛いですよ。
寄せ植えするときのポイントは、生育タイプが同じもの、近いもの同士を植えることが大切です。
夏型と冬型が混在してしまうと、水やりで失敗してしまいます。
一方は生育期なのに、隣に植えられた株は休眠期・・なんて悲惨なことにならないように気をつけましょう。
お店で売られている寄せ植えでは滅多にないことですが、たまに、あるのですよ。
なんでコレとコレが同じ鉢に入っているのだろうか・・ってことが。