とても美しい多肉植物『銀月(ぎんげつ)』の基本情報や育て方
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多肉植物のセネシオ属「銀月(ぎんげつ)」の葉っぱは、白い綿をまとわせたような・・フェルトのような・・ビロードのような・・
“キツネのしっぽ”のような形で、丸くて細長くピンとしていて、真っ直ぐ伸びてついています。
『とても美しい多肉植物』として人気があります。
英名は「Woolly senecio」です。
「Woolly」とは、「羊毛の」「毛をまとった」「毛の多い」という意味があります。
学名は「Senecio haworthii」ですので、「銀月」ではなく、「ハオルチー」という名前で売られていることもあります。
“つづり”が「Haworthia(ハオルチア)」とよく似ているのが、多肉あるある特有の“謎”な部分ですけど、「銀月」はセネシオ属なので関係はないです。
科も全く別です。
美形多肉のセネシオ属『銀月(ぎんげつ)/ハオルチー』の育て方などを紹介します。
[↻ 2023.07.13 記事更新]
セネシオ属「銀月(ぎんげつ)」の基本情報 ~美しい多肉植物の代表格~
キク科セネシオ(セネキオ)属 銀月(Senecio haworthii)
自生地:南アフリカ
タイプ:冬型(春秋型に近い)
秋になり夜間寒さを感じるようになるころから春にかけてが生育期となり、夏は休眠期となります。
そのため、夏の管理には気をつけましょう。
夏は、長時間直射日光が当たって高温になる場所は避け、やわらかい日射しと風通しのよいところに置いてあげます。
明るい日陰に移動させるか、遮光シートなどで日陰を作ってあげるといいでしょう。
梅雨の長雨時期は長時間雨が当たらないように、軒下など屋根のある場所に移動させるか雨避けを作ってあげます。
銀月は全身毛に覆われていて、雨がかかり続けると毛がハゲて薄くなることがあるようです。
毛がなくなると緑色の葉っぱや茎が露出・・銀月であって銀月でない姿に・・
毛は残っても、変色してしまうこともあるようなので、長時間濡れたままにならないようにしてあげましょう。
夏も真夏も梅雨時期も、長く高温多湿が続かないようにしてあげます。
冬型で寒さには強いですが、霜や雪が降るような日は気をつけます。
0度以下でも大丈夫という人もいますが、私は3度を下回る日が続くようならビニールハウスの中に入れています。
寒い日はビニールハウスの中に入れ、昼間はビニールを開けて風通しし、夜間は閉めています。
雨の降る日はビニールハウスは閉めたままです。
秋から春にかけての生育期は日光浴を十分にさせてあげましょう。
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多肉植物の置き場所~ポイントは日当たり・風通し・温度~ - 多肉植物いやされ生活
銀月の育て方 ~植え替え・用土・水やり肥料・増やし方・病害虫~
銀月の植え替え時期と方法は?
一般的に、銀月の生長はやや遅いといわれていますが・・特にそうは感じません。
土の状態を保つためにも、植え替えは2~3年に1回してあげるといいです。
適期は秋ですが、春先でも大丈夫です。
銀月の植え替えの場合、土は湿った状態のときでもいいのですが、やり易さを考えると土が乾燥しているときのほうが絶対やり易い。
手や用具の汚れ具合に差。
なので、やり易さ第一で、数日前から水やりをストップして土を乾燥させておきましょう。
同じ鉢もしくはひと回り大きい鉢に植え替えます。
根鉢は3分の2くらいくずして古い根っこは取り除き、伸びすぎている根っこは清潔なハサミでカットします。
(1)鉢底石を入れる(鉢底穴が大きい鉢のときは鉢底ネットを置いてから)
(2)用土を鉢の3分の1くらいまで入れる
(3)株が鉢の真ん中にくるように、根っこが広がるように、植えつけていく
(4)根っこの間にしっかり土が入るように入れていく
※ピンセットや割り箸などで土をやさしく突きながらすると上手くいきます
(5)鉢を地面にトントン当てて土をなじませる
植え替え後は茶色い水が鉢底から流れ出なくなるくらいまで水やりして、明るい日陰に置きます。
2週間くらい経ってから、今までの置き場所に戻し、今までの管理方法を続けましょう。
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多肉植物の植え替え ~適した時期と方法~ - 多肉植物いやされ生活
銀月に合うのはどんな用土?
銀月はキク科だけあって、水が好きですが、多湿は苦手なので水通り・水はけのいい土を使います。
市販の『サボテン・多肉植物の土』をメインに、赤玉土(小粒)や鹿沼土(細粒~小粒)を配合したものや、砂や軽石、ピートモス、バーミキュライトを混ぜてもいいでしょう。
多肉植物専用用土だけでもかまいません。
◆多肉植物の土について詳しくはこちらも参考にしてみてください ↓
多肉植物の基本的な育て方~合う土、合う鉢、便利用具~ - 多肉植物いやされ生活
銀月の水やりと肥料はどうすればいいの?
銀月は全身毛で覆われているため、株自体に水や液体肥料がなるべくかからないようにしましょう。
上でも書きましたが、キク科だけあって水は好きみたいです。
銀月は、水切れで水が欲しくなると、葉っぱがシワシワになってきて自己主張してきます。
下の葉っぱ(外側の葉っぱ)からシワシワになってきます。
少しだけ“シワシワ気味”の場合は、水やりすると復活してくれます。
ですが、シワシワになって葉っぱの厚みがなくなってくると良くない状態といえます。
なぜなら、私の経験上、シワが深くなればなるほど、元に戻る確率はほぼないです。
基本的にセネシオ(セネキオ)属は根っこが乾燥“しすぎる”と元気がなくなってきます。
そうはいってもやっぱり多肉植物なので、ジメジメよりは乾燥気味に育てるため、生育期でも水のあげすぎは避けましょう。
おそらく、この水やり加減が、『銀月は育てるのがやや難しい』といわれている要素なのかなと思います。
秋から春にかけては、土の表面が乾いて2~3日経ってから鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりあげます。
冬は土の中まで乾燥しにくいので、鉢の中の土が完全に乾いていることを確認してからあげましょう。
乾かないうちにあげてしまうと、多湿の原因になります。
水をあげるときは、鉢底から流れ出るくらいしましょう。
たっぷり水やりすることで、土の中にたまった老廃物や雑菌を洗い流し、土の中の風通しがよくなります。
冬の水やりは、晴れた日の午前中から日中の暖かいときにかけてあげましょう。
肥料は、お持ちの液体肥料のパッケージに記載されている希釈率よりも薄めたものを、2週間に1回程度与えます。
休眠期である夏の水やりは控えめにします。
特に梅雨時期から真夏の間は、土の表面が乾いて1週間くらい経ってから。
このときも、鉢の中の土が完全に乾いていることを確認してから水やりしましょう。
夏の水やりは、晴れた日の、気温が落ち着いてくる夕方以降にあげましょう。
肥料は一切与えなくてかまいません。
◆多肉植物の水やりと肥料について詳しくはこちらも参考にしてみてください ↓
銀月を増やすにはどうすればいい?
「株分け」や「挿し木・挿し芽」で増やすことが一般的です。
「葉挿し」で増やすことは難しいといわれています。私はまだ挑戦したことがないので何ともいえません。
「タネ蒔き」でも増やすことができるという記事を読んだことがあります。冬から春にかけて大きめの蕾がつき、キクに似た花を咲かせるようですが、私はまだ実際に見たことがありません。写真で「大型銀月」の花は見ましたが、蕾のときが美しいです。蕾も葉っぱや茎と同じように白い毛でおおわれていました。花が咲けばタネを採ることもできるのでしょうが・・いつか咲いてくれることを願っておきます。
適期は秋。または春先でもいいでしょう。
「株分け」は、親株の株元に子株が出てくるので、子株がある程度大きくなってきたら株分けします。
子株が小さいときは子株から根っこが出ている可能性は低く、子株がある程度大きくなっていると子株からも根っこが出ている可能性が高いです。
銀月は根っこが出にくいといわれているので、株分けするときは根っこが出ている状態でしたほうがその後の管理がしやすいです。
株分けは、根鉢をくずしてするため、植え替えのときにするといいでしょう。
「挿し木・挿し芽」をする場合は、伸びている茎や脇芽を清潔なハサミで切り取ります。
土に挿す1~1.5センチくらいのところに葉っぱがついているようなら、丁寧に切り取っておきます。
銀月の場合、切り口は完全に乾かさないで、水苔などに挿しておくと発根しやすいようです。
土に挿すときは、あらかじめ湿らせた新しい土に、割り箸などで挿し口をあけてから植えつけます。
発根促進剤があれば切り口につけておきましょう。
根っこが出てくるまでは水苔や土が乾燥しすぎないように水やりします。
置き場所は風通しのよい明るい日陰がいいでしょう。
株の新芽が生長しはじめれば、根っこが出てきたと考えていいでしょう。
日当たりと風通しのよい場所に移動させてあげます。
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多肉植物の増やし方~株分け・挿し木芽・葉挿し・胴切り~ - 多肉植物いやされ生活
銀月がかかりやすい病気や害虫は?
夏の多湿や水のあげすぎなどで起こる根腐れで株をダメにしてしまうことが多いようです。
害虫はつきにくいです。
とにかく蒸れに弱いので、風通しがよいところで管理しましょう。
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多肉植物にやってくる害虫と、かかりやすい病気 ~駆除と対処の方法~ - 多肉植物いやされ生活
さいごに
セネシオ属「銀月(ぎんげつ)/ハオルチー」についての情報は様々で・・育てやすいという人もいれば育てにくいという人もいるし、温度管理は簡単だという人もいれば難しいという人もいるし、生長が遅いという人もいれば早いという人もいます。
育てている地域や環境によって違ってくるのは、どの植物でもあることなので仕方がないですが、他の多肉植物に比べて、銀月は特に情報がいろいろです。
私は、どちらかというと育てやすいと思います。
害虫もつかないし、冬の寒さにも夏の暑さにも特に変わった様子は見受けられません。
水は好きみたいなので、同じ土・同型のプラスチック鉢で育てている他の多肉植物に比べると、水やりの頻度は若干多いです。
銀月は『可愛い』というよりは『美しい』という言葉が本当によく合います。