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多肉植物とは、葉っぱや茎、根っこなどに水分をたくわえ、多肉質になっている植物のことです。
主な自生地は南北アフリカやメキシコなど熱帯・亜熱帯地域で、雨が少なく乾燥している砂漠地帯や寒暖差がきびしい地域などが多いです。
だからといって、1万数千種あるとも言われる多肉植物すべて同じ育て方でいいのかというと、そういうわけではなく、季節や環境に得意不得意があるため、もともとの自生地がどのあたりなのかを知っておくと育てていくうえで、参考になるとは思います。
が、自生地については『へぇ~そうなんだ』くらいで構いません。
ということで私の場合は、“何型か?”によってカゴや置き場所をだいたい分けて管理しています。
何型・・って?何??
タイプ別 多肉植物は季節に得意不得意がある
タイプは大きく分けて“3つ”。
『春秋型』『夏型』『冬型』です。
この分け方は『生育型別』と言って、生育期と休眠期がいつなのかによって分類されます。
『春秋型』
生育期:3~6月頃と9月中旬~11月頃
休眠期:12~2月頃 / 7~9月上旬は半休眠期
好む温度:13~25度
属名:エケベリア、セダム、ハオルチア、センペルビウム、アドロミスクス、パキフィツム、コチレドン、セネキオ、アロエなど
『夏型』
生育期:4~10月頃
休眠期:11~3月頃
好む温度:20~33度
属名:カランコエ、アガベ、ユーフォルビア、アデニウム、コチレドン、セネキオ、アロエ、クラッスラ、サボテン科など
『冬型』
生育期:9月下旬~4月頃
休眠期:5~9月中旬頃
好む温度:5~20度
属名:リトープス、コノフィツム、アエオニウム、フェネストラリア、モナンテス、クラッスラ、セネキオなど
属名に分類される種類のなかにも、生育型がまたがっているものもあります。
種類によって多少の違いはありますが、基本的にはこんなかんじです。
水やりは、生育期には土の表面が乾いて2~3日経ってから、鉢の底から水が流れ出るくらいたっぷりあげます。
休眠期はほぼ断水状態にして、1か月に1回程度少量をあげます。
肥料は、生育期には緩効性化成肥料を2か月に1回程度与えるか、通常の希釈率よりも薄めた液体肥料を1週間に1回程度与えます。
休眠期には一切与えないでください。
植え替えや植えつけは、生育期の少し前から生育期前半が最適期とされます。
切り戻しや挿し木・挿し芽、葉挿しなどは生育期におこないましょう。
時と場合によってはこの限りではありません(病気のときや葉っぱが落ちちゃったときなど)。
置き場所は、地域にもよりますが、基本的には外管理で大丈夫です。
気をつけたいのは「真夏」と「真冬」です。
≪真夏≫
ジリジリとした強烈な直射日光が長時間当たる場所は避けたほうがいいです。
長時間直射日光に当たることによって葉焼けを起こしてしまうと、そこから病気になることもあります。
梅雨の長雨の時期は、屋根のあるところ(軒下など)に置くか、雨避けをしてあげるといいです。
高温多湿で鉢の中が蒸れてしまうと病気になりやすくなります。
≪真冬≫
3~5度を下回る気温はほとんどの多肉が苦手とします。
冬型の多肉植物でも弱ってしまうことがあります。
雪や霜をかぶってしまうと、一発でダメになってしまうこともありますので注意が必要です。
寒冷地(北海道、東北地方、信越地方)では、簡易的でもビニールハウスがあるといいと思います。
寒冷地でなくても、一年を通して外で管理したいという人は、ビニールや保温シートなどで冬の間は囲いをしてあげるといいでしょう。
梅雨の長雨の時期は、屋根のあるところがいいでしょう。
私は一年中外管理で、西日本ですが簡易的な温室風なものを作っています。
さて、上に出てきた『属名』って何でしょうか・・
多肉植物の属名とは?分類階層の『科』のなかに含まれる『属』
植物にはたくさんの呼び名があります。
これは、多肉植物に限ったことではないですが、学名があり、英名、和名、流通名など、ひとつの植物なのに呼び名はいろいろ。
販売するお店や時期によっても呼び名が違うことも。
植物の世界では、人工的に交配して生み出されたものは園芸品種といい、これは園芸品種名で呼ばれます。
これに加え多肉植物の世界では、野生の植物を日本に持ち込んだときに日本的な名前をつけて、これは園芸名と呼ばれます。
多肉植物あるあるですが、違うお店で買ってきたときについている名札は明らかに別名なのに、どう見ても同じ見た目で違いが分からなくて調べてみると、学名が同じ・・つまり、同じ多肉植物・・でも呼び名が違う・・なんてことが“あるある”です。
ちょっと話がズレてしまいましたが、属名の紹介に戻ります。
世界共通の名前で、学術的定義がなされている学名の基本のひとつが『属名』です。
属名は多種あり、代表的なものとしては、エケベリア、カランコエ、コチレドン、ハオルチア、セダム、クラッスラ、リトープスなどです。
ちなみに、枝や幹、根っこが面白い形になり人気が高いコーデックスは、いくつかの『科』にまたがっているグループです。
同じ『属』でも、生育型が違うものもありますので、育て方を調べられるように、買ったときの名札は捨てないようにしましょう。
まとめ
分類学上、『科』のなかに『属』、『属』のなかに『種類』がある、となります。
育てるうえで基本となるのは生育型ですが、これも厳密に言うとハッキリと分かれているものばかりではなく、夏型寄りの春秋型とか、冬型よりの春秋型とか・・この逆もあるんです。春秋型寄りの夏型とか、春秋型寄りの冬型とか・・
考えはじめると育てるのが難しく思えますが、名前が分かれば情報はあふれています。
最初に「自生地が参考になる」と書きましたが、本当に参考程度です。
なぜなら、現在私たちが手軽に購入できる一般的な多肉植物は、日本で増やされ日本で育っているからです。
日本の環境に順応していると言えるのではないでしょうか。
それでも、“生育のタイプ”は“基本”と言えます。
基本を気にしつつ、多肉植物にいやされる生活はなかなかいいものです。