やわらかいトゲトゲ多肉植物『雷童(らいどう)』の基本情報や育て方
デロスペルマ属「雷童(らいどう)」の葉っぱはぷっくりした細長い楕円形で、トゲっぽいトゲトゲが葉っぱにも茎にもあります。
このトゲトゲは柔らかく、触っても全く痛くありません。
雷童のことを書こうと調べてみると、もう、混乱してしまいました。
まず、『科』で混乱。
「ハマミズナ科」「メセン科」「ツルナ科」「キク科」で紹介されているサイトがそれぞれあって、『えっ!?何科??』ってなりました。
まとめます。
まず「キク科」ですが、これは恐らく、雷童は“耐寒性松葉菊”の仲間であり、菊のような花を咲かせるため「キク科」と紹介したのではないかなと思います。
恐らくこれは違います。
そして「ハマミズナ科」「メセン科」「ツルナ科」ですが、これはまとめて「ハマミズナ科」ということになります。
どういうことかといいますと、「ツルナ科」は、学名:Aizoaceaeのもともとの標準和名でしたが、科が細分化されるときに別の学名がつきました。
そしてのちに、学名:Aizoaceaeの和名が「ハマミズナ科」となり、現在は「ツルナ科」もこれに含めるのが一般的になったとされています。
つまり、従来は「ツルナ科」といわれることが主だったようですが、現在では「ハマミズナ科」ということが一般的となっているようです。
通称として「メセン科」「マツバギク科」と呼ばれることもあります。
なので、「ハマミズナ科」でも「メセン科」でも「ツルナ科」でも間違いではないということです。
個人的には、「ハマミズナ科」か「ツルナ科」というのがそうかなと思っています。
「メセン科」というよりは、「メセンの仲間」というほうがしっくりくるかんじです。
混乱はまだつづきます。
デロスペルマ属の雷童ですが、学名として「Delosperma echinatum(エキナツム)」と「Delosperma pruinosum(プルイノスム)」で紹介されているサイトがそれぞれあります。
これは・・どっちが正しいのでしょう・・
個人的には「エキナツム」のほうかなぁと思っています。
が、分かりません。
最後の混乱は、名前です。
雷童は、咲く花の色によって名前が違うと書かれていたり、書かれていなかったり・・
雷童の花色は黄色で、白花が咲くものは「花笠」と呼ぶ。らしかったり・・
雷童の花は黄色と白色があり、花笠にも黄色と白色の花色がある。らしかったり・・
雷童の別名は「三笠」という。三笠の花色はなんだろう・・
雷童に似た種類には、「雪童」があります。
花色は白色。
雷童に比べて葉っぱが太めで、トゲトゲも短くてツブツブのようにも見えます。
私の持っているものには「雷童」のネームタグがついています。
花は咲いたことがないので何色かは分かりません。
花を咲かせるべく、もっと可愛がってあげようと思います。
前書きが長くなってしまいました・・基本情報など紹介します。
[↻ 2023.07.11 記事更新]
デロスペルマ属「雷童(らいどう)」の基本情報 ~比較的寒さに強い~
ハマミズナ科デロスペルマ属 雷童(Delosperma echinatum)
自生地:南アフリカ
タイプ:春秋型(冬型に近い)
生育期は、春と秋。
夏は休眠期で、真冬は半休眠期となります。
先に書いたように、耐寒性松葉菊の仲間なので、寒さにはわりと強いです。
1年通して外管理でかまいませんが、夏と真冬の管理には気をつけます。
夏の直射日光が長時間当たり続けるときは、明るい日陰に移動させるか、遮光シートなどで調整してあげるといいでしょう。
多少雨ざらしでもかまいませんが、高温多湿な梅雨時期は長期間雨がかかり続けない風通しのいいところに置くといいでしょう。
多肉植物なので、土が長期間湿った状態は弱る原因となってしまいます。
冬の寒さには比較的強く、多少霜や雪がかかっても冬越しできます。
ですが、積もるような日はビニールやダンボールなどで囲いを作ってあげるか、屋内に入れてあげましょう。
葉っぱが凍ってしまうと、枯れてしまうことがあります。
◆多肉植物の置き場所について詳しくはこちらも参考にしてみてください ↓
多肉植物の置き場所~ポイントは日当たり・風通し・温度~ - 多肉植物いやされ生活
雷童の育て方~植え替え・用土・水やり肥料・増やし方・病害虫~
雷童の植え替え時期と方法は?
植え替えは2~3年に1回。
適期は生育期の春先と秋。
植え替えする数日前から水やりはストップして、土が乾燥した状態にしておきます。
同じ鉢もしくはひと回り大きい鉢に植え替えます。
古い土を3分の2くらい落として、古い根っこは取り除き、伸びすぎている根っこは清潔なハサミでカットします。
カットした場合は、切り口が乾くまで乾燥させましょう。
(1)鉢底石を入れる(鉢底穴が大きい鉢のときは鉢底ネットを置いてから)
(2)用土を鉢の3分の1くらいまで入れる
(3)株が鉢の真ん中にくるように、根っこが広がるように、植えつけていく
(4)根っこの間にしっかり土が入るように入れていく
※ピンセットや割り箸などで土をやさしく突きながらすると上手くいきます
(5)鉢を地面にトントン当てて土をなじませる
植え替え後は明るい日陰に置き、1週間くらい経ってから、茶色い水が鉢底から流れ出なくなるくらいまで水やりします。
水やりしてから2~3日くらい経ってから、今までの置き場所に戻し、今までの管理方法を続けましょう。
◆多肉植物の植え替えについて詳しくはこちらも参考にしてみてください ↓
多肉植物の植え替え ~適した時期と方法~ - 多肉植物いやされ生活
雷童に合うのはどんな用土?
水通り・水はけのいい土を使います。
市販の『サボテン・多肉植物の土』をメインに、赤玉土(小粒)や鹿沼土(細粒~小粒)を配合したものや、砂や軽石を混ぜてもいいでしょう。
多肉植物専用用土だけでもかまいません。
◆多肉植物の土について詳しくはこちらも参考にしてみてください ↓
多肉植物の基本的な育て方~合う土、合う鉢、便利用具~ - 多肉植物いやされ生活
雷童の水やりと肥料はどうすればいいの?
雷童はわりと水が好きなのかなぁとかんじます。
生育期の春と秋は、土の表面が乾いて2~3日経ってから鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりあげます。
肥料は、お持ちの液体肥料のパッケージに記載されている希釈率よりも薄めたものを、2週間に1回程度与えます。
休眠期の夏は控えめに月1~2回程度で、鉢の中の土が完全に乾いてからあげましょう。
乾かないうちにあげてしまうと多湿の原因になります。
水をあげるときは、鉢底から流れ出るくらいたっぷりすることで、土の中にたまった老廃物や雑菌を洗い流し、土の中の風通しがよくなります。
夏の水やりは、気温が落ち着いてくる夕方以降にあげます。
肥料は一切与えなくてかまいません。
真冬は半休眠期になるので、控えめの月1~2回程度、土が乾きにくいため水の量も控えめにあげます。
冬の水やりは、晴れた日の午前中から日中の暖かいときにかけてあげましょう。
肥料は一切与えなくてかまいません。
◆多肉植物の水やりと肥料について詳しくはこちらも参考にしてみてください ↓
雷童を増やすにはどうすればいい?
「挿し木・挿し芽」で増やすことができます。
適期は春と秋。
雷童は茎が木質化しながら、脇芽を出しつつ上へ上へと伸びていきます。
「挿し木・挿し芽」をする場合は、伸びている茎や脇芽を切り取り、風通しのよい明るい日陰で切り口を乾燥させてから新しい土に植えつけます。
このとき、土に挿す2センチくらいのところに葉っぱがついているようなら、丁寧にもぎ取ります。
2週間くらい経ってから水やりをし、日当たりと風通しのよい場所に置いてあげましょう。
「葉挿し」は・・できるのでしょうか?
検索しても、雷童の葉挿しをしたというのを見つけられませんでした。
私もまだやったことはありません。
いずれ挑戦してみたいと思います。
◆多肉植物の増やし方について詳しくはこちらも参考にしてみてください ↓
多肉植物の増やし方~株分け・挿し木芽・葉挿し・胴切り~ - 多肉植物いやされ生活
雷童がかかりやすい病気や害虫は?
水のあげすぎなどで起こる根腐れに気をつけます。
害虫はつきにくいですが、コナカイガラムシやアブラムシがつくことがあるみたいです。
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多肉植物にやってくる害虫と、かかりやすい病気!駆除と対処の方法 - 多肉植物いやされ生活
さいごに
こんなに混乱するとは思いませんでした。
デロスペルマ属「雷童(らいどう)」について調べるのに時間がかかってしまいましたが、いろいろ分かってよかったです。
雷童の葉っぱは、くっつき虫といわれる「オナモミ」の実に似ています。
トゲトゲしていますが、雷童はくっつきません。
不思議な見た目がとってもかわいい多肉植物です。